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舞-HiMEの静なつ奈緒のSSを書こうと思っています。 キャラ崩壊酷いと思うので、大丈夫な方だけどうぞ。

2.

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2.

まぁ、捗る捗る。です。
静なつ奈緒バンド In スタジオです。







個室の空気はなんとなく淀んでいた。
どこもそうなのか、私はこの場所の常識を知らない。
ただ、窓くらいあってもいいものだろうと入り口の重たいドアを睨みながらそう思った。

「……どこからやる?」
「じゃあアタマから」
「ほな、奈緒はん。カウント、お願いします」

私達は今、スタジオにいる。
週に一度の練習は想像してた以上に楽しめた。
私達がこんなところにいるのは、舞衣が立ち上げたカラオケ同好会が発端だった。
自分達で演奏できたらさらに面白そうと話が膨らんだところに私達が居合わせて、
似合いそうというだけの無茶苦茶な理由で指名され、楽器を始めることになったのだ。

一番地を追う必要もなく、部活にも所属していなかった私は時間を持て余していたし、奈緒もそうだった。
静留は受験生なんだから学業を優先させるべきだと思うのだが……本人曰く勉強の気分転換を兼ねているそうだ。
事実、成績はずば抜けていいし、他の趣味とも上手く両立させているから私からは特に言うことはない。
ちなみに静留は他薦ではなく自薦だ。恐れ入る。

「玖我。あんた何呆けてるのよ。行くわよ」
「あ、あぁ。大丈夫だ」

奈緒に話しかけられて若干声が上擦る。
慌ててエフェクターのフットスイッチを踏み込むと、奈緒に視線を向けカウントを待った。

楽器を始めてそれぞれ三ヶ月程経つ。
私がギターボーカルで、静留がベース、奈緒がドラム。
正直、ボーカルをやるのは非常に不本意だった。
歌いたがりの舞衣がボーカルをやればいいと言ったのだが、ギターボーカルの方が格好いいという謎の主張を押し切られてしまった。
もちろん、ならばギターではなく違う楽器をとも考えたが、他の楽器とは尽く相性が悪かったのだ。
楽器屋のドラムコーナーの店員の苦笑いは今でも鮮明に思い出せるほどのものだった。
自分の適性を思い知って、あの日は本当に凹んだ。

音が流れる。
ようやく様になってきたイントロのギターソロ。
本当に初心者なのかと疑いたくなるほど、程よく畝るベース。
以前ドラムを触らせてもらったとき、私には微塵も叩けなかった軽快なエイトビート。

あぁ、音楽っていいな。
かつては見向きもしなかったものに対して感慨深い気持ちになる。

イントロの終わり、再び足でエフェクターを切り替えて、
私は歌い出しの歌詞を頭に思い浮かべながらマイクに口を近づけた。




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