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舞-HiMEの静なつ奈緒のSSを書こうと思っています。 キャラ崩壊酷いと思うので、大丈夫な方だけどうぞ。

命の一日〜静留の場合〜 中編

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命の一日〜静留の場合〜 中編

これ(前編)の続きです。
もうちょっと続きます。





学校に着いて早々、私は迷っていた。
美袋さんのクラスには結城さんがいる。
彼女に事実を告げて協力してもうべきか、否か。

そんなことよりも”藤乃静留”が居るはずの教室まで行って状況を確認すべきだろうか。
かなり気が重いが、それは避けられない。
美袋命と書かれた下駄履を見つめながら私はため息をついた。

「ねぇ命?」
「なんだ?」

背後から舞衣さんに声をかけられ、自然と美袋さんの口調で返す。
なんだか段々板についてきた気がする。

「あのさ、とりあえず私と一緒に私の教室に来ない?」
「舞衣の教室、か?」
「うん。会長さんほっとく訳にもいかないでしょ?それから、なつきも連れて三年生の教室に行こう?」
「なつきもか?」
「そうよ。何も知らされてなかったらなつき、きっと混乱しちゃうわ」

なつき。私の最愛の人。
彼女を悲しませるようなことはあってはならない。
そうだ。そうしよう。

彼女の為だと思うと今まで億劫だった気持ちが嘘のように晴れた。
善は急げ、だ。

「そうだな!んっ!早く行こう!舞衣!」
「あっ、ちょっと!命、引っ張んないでよ!」



----



私達は廊下を歩いていた。
走り始めてすぐに教師に見つかって注意されてしまったためだ。
出鼻を挫かれてしまったようで少し気分が悪い。

「あぁもう。こないなことなら校則変えて、廊下走ってええことにしておくんやったわ」
「あんたが言うと洒落になんないわよ、それ…」

ぶつくさと文句を言いながら歩みを進める。
そこの角を曲がればもうすぐ舞衣さんの教室だ。
朝のホームルームまでにはまだ時間に余裕がある。
なつきを連れて私の教室に様子を見に行くのは問題なさそうだ。
まぁ、なつきがちゃんと朝から学校に来ていれば、の話だが。

「…なんだろう、なんか騒がしいわね」
「そやね…」
「嫌な予感が」

嫌な予感がする。
そう言いかけた私達はすれ違い様に聞こえてきた見知らぬ生徒の声で足を止めた。

「でもなんで藤乃会長が俺たちの教室に?」
「鴇羽を待ってるんだとよ」
「鴇羽って鴇羽舞衣?あの転校生か?あの子、会長と仲いいのか」
「仲がいいってもんじゃないだろう。わざわざ教室で待ってるって相当だぜ」

足だけじゃない。時が止まった。
私は舞衣さんと視線を合わせると、二人で頷いてそして教室まで全力疾走した。

体が軽い。
さすが美袋さんの体だ。
舞衣さんの教室の前には人集りができていた。
もう悪い予感がするとかそんなことを言っている場合ではない。

「みんな、退けてくれ!」

美袋さんの口調でそう告げると廊下から覗いていた人々が後退る。
扉の前の人々が捌け、教室の中が見渡せるようになった。

「舞衣~~~~~~~~~」

視界に入ったのは、舞衣さんの名前を呼びながら目を潤ませている私だった。
取り巻きの子達はいない。よく見ると廊下でその様子を静観している。
いや、静観ではないか。
中には私が泣きそうになっているのに釣られてハンカチで目を押さえている子もいる。
おいたわしいと呟き、私に同情してくれているようだ。
おいたわしい、か。
いやもう、ほんまにな。

「命!会長さんは!?」
「一体どうしたって言うんだ!」

振り返るとそこには舞衣さん、そしてなつきがいた。

「なつき!」
「さっきそこで合流したの!それで!?会長さんは!?」
「それが…」

私は教室の”藤乃静留”を一瞥して、本日何度目になるかわからないため息をついた。

「し、ずる…?どうして泣いているんだ…?…おい、静留!」

いてもたってもいられないと、教室の中に入ったのはなつきだった。
なつきの優しさに、そんな場合ではないというのに胸が踊る。
うち、愛されとるなぁ。

しかし、その直後。
”藤乃静留”が取った行動ははっきり言って有り得ないものだった。

「舞衣!舞衣ー!!」

駆け寄ってきたなつきを押しのけ、扉の前で呆けている舞衣さんに飛びついたのだ。
なつきは信じられないという顔をしてこちらを見ている。
えぇ、うちも信じられまへん。

「舞衣!どこに行っていた!舞衣ー!」
「ちょ、ちょっと!みこ…会長さん!」

人目も憚らず、”私”は舞衣さんの胸に顔を埋めている。
主に取り巻き達の歓声がそこかしこに木霊する。だが、そんなことはどうだっていい。
これはあかんやろ。

「舞衣のおっぱいだぁ!寂しかったぞ!んっ!」
「ちょっ!馬鹿!何やってんのアンタ!」

取り残されたなつきはすぐに表情を変えて、こちらに歩み寄った。
本気で怒っている。
あんな顔、久しく見ていなかった。

「静留…お前、これはどういうことだ」
「な、なつき!違うの、これはね」
「お前は黙っていろ。……静留、答えろ」

しかし彼女は反応を示さない。
舞衣さんの胸を堪能するので忙しいようだ。
それに、静留と呼ばれてもピンと来ないのであろう。
だって彼女の中身は美袋命なんだから。
私はたまらず、遂に口を出した。

「離れよし!」
「嫌だ!」
「命あんたいい加減にしなさい!」

舞衣さんも加勢してくれたが、いまの言い方は良くなかった。
なつきを見やり、そう気付いた。

そう、今の私はなつきからしたら美袋命なのだ。
舞衣さんは”命”にいい加減にしろ、とそう言った。
つまりなつきからすると「私と会長さんの逢瀬を邪魔するな」と、そう言っているようにしか見えないのだ。

「な、なつき、違うんよ?今のは…」
「黙っていろ」

低く、冷たい言葉をかけられて私は絶句した。
出会った頃のような、いや、それ以上に刺のある態度。
そしてなつきは”藤乃静留”の肩を掴み問いただした。

「静留、答えろ。これは一体どういうことだ」

新緑のような綺麗な瞳が燃えていた。
あぁ…森が、燃えている。

「舞衣のおっぱいが一番だ!んっ!」
「私のことは、もう…どうでもいいのか」

怒気をはらんだその問いに、”私”はとんでもない答えを突きつけた。

「元々好きじゃない、なつきのおっぱいは」

あかん。
今のはほんまにあかん。
あんた今自分が何を言うたか理解ってるん?
なしてそないにして意味なく核爆弾のスイッチを押さはるの。

パァンと大きな音が響いて、それまで騒然としていた辺りは一気に静まり返った。
なつきが”私”の頬を強かに張ったのだ。

「お前なんか…お前なんか……!!」

そう言ってなつきは走り去っていく。
振り返る直前に垣間見えた彼女の瞳は濡れていた。

「なつき!待っとくれやす!!」

たまらず声を張り上げるとなつきは立ち止まってくれた。
間髪を入れず、私は続けた。

「舞衣さん、美袋さん。なつきに事情、説明せなあかんよね?」
「も、もちろんよ!」
「舞衣ー舞衣のおっぱいー」
「だぁあぁぁからあんたは一旦離れなさいって!!」

そうして私達四人は朝のホームルームを放棄し、屋上に移動した。

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自己紹介:
そこら辺に転がってる百合豚です。

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